PORSCHE
信沢 保の
PORSCHE 特集
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特集では、メインのページだけでは紹介しきれないことを、解説していきます。


2004/7月号
薄さへの挑戦〜SAL特集

 数字を節約し始めたポルシェから、新911「997」が登場した。基本的に996みたいだけど、ライトが993に戻ってる……。
 で、今回はミニカー特集第四弾「SAL特集」
 このミニカーについてご存知だろうか。最近五十台セットなどで売られているミニカーである。パッケージの状態では上からしか見えないので買ってしまう人も続出しているが、その実態は薄っぺらちゃんなのだ。品番もあやしいものが付いている。
 今回はこのSAL(サル)のポルシェについてバリエーションを研究していきたいと思う。僕はこのブランドについて、ここまで突っ込んだWEBページの存在を他に知らない。

959 品番
931F
959と言えば、ミニカーの定番の一つである。SALでもモデル化されているが、成功しているとは言えない。他のモデル同様、下半分は強制的にプラ製となるため、フェンダーからつながるサイドステップが表現されていないのが大きな欠点である。当然リアウィングも抜けておらず、三角窓が逆効果となっている。
また、ボディがちゃんと下まであるバージョンと、ドア開閉内装付きの豪華版など金型に種類がある。

他のモデルとは違い、シャーシがメッキされ、窓は黒になっている。こういった特徴は比較的古いモデルに当てはまると思う。タンポは赤と金の二色で、RALLY CHAMPとある。 ここからはシャーシが黒で、窓はクリアブルーとなる。いかにもユルなタンポだが、単純にレーシング・ストライプみたいにしたらまだマシなのに。薄いがカーナンバー5。 これが最も多く流通しているカラーであろう。タンポの質に固体差があるため、製造時期も長かったと思われる。タンポは"FAST"LANE 53。
SURF PATROLと書いてあるので、たぶんビーチのパトロールカー。マークの中に書いてあるのはMETRO POLICE ……なんか勘違いしていませんか?屋根にはおそらくパトカーの番号であろう930の文字が。品番931とは一つ違い。

928 品番
929H
大きいスケールでは928のミニカーは少ないと言われているが、小スケールミニカーでは928は定番中の定番である。大抵のメーカーは928のモデルを出している。このSALでもサンルーフ付きの928がモデル化されていた。形はスゴイことになっているが、特徴的なリアコーナー・ウィンドウでそれと分かる。フロントのキャスティングも大いに変だが、固体によってはそれすら消えて真平らになってしまっている物もある。

SALの928で一番見かける色。実物はもっと紫っぽい。赤の一色タンポ。屋根に書いてあるのはWの文字だろうか。 右のと色違い。実物はこんなに水色ではなく、緑っぽい。紫よりは珍しい感じがする。 紫のと並んでよく見る色。同じセットに入っているようだ。後ろから来たストライプがフロント・フードでドカーン!
画像では比較しずらいが、これは全くフロントノーズの筋彫りが埋まっている。ちょっと豪華に二色タンポ。929Hというのは品番です。決して間違えたわけではありません。 鮮やかな赤。金タンポ。これにも929とかいてある。この品番は確信犯ではないかと思うけど、実際はどうだろうか。 モノホンよりかなり水色になっているが、色の差が分かるだろう。手前のウィンドウにバリがあるのが新しいと思われる。シャーシの出来も悪い。

930
SLANT NOSE
品番
931H
959や928などの他に、911もモデル化されている。SALの場合、それはフラットノーズだった。なぜか小スケールではフラットノーズはそれほどレアな存在ではない。HWの影響だろうか。
ただでさえ、このような造形センスであるのに、わざわざフラットノーズにしているのがすごい。どれだけの少年がこれを911だと認識するのだろうか。窓は二枚省略して全四枚。特徴的なサイドのラインは無視されている。

メッキシャーシ、黒ウィンドウの一台。メッキがボディ色と同化している。最もレーシーなカラーリングである。 930ではこの色が多いようだ。とりあえずレース仕様にするために番号が書いてある。ユル系ではよくあることだ。テキトーな位置に配置された星が気になる。 鮮やかな黄色。一色でグラデーションぽくしてるが、キメが粗いので新聞紙の印刷のようになっている。この二つのラインのアンバランスさと来たらもう……。
赤と青の二色タンポ。この絵柄が何を意味しているかは誰にもわからない。屋根のは国旗みたいに見えるし。931Hというのは品番のこと。 黒いボディに金色タンポ。しかもこの文字みたいな30みたいな絵は一体……。顔にも見える。恐るべしSAL。 右の黒い930の屋根を拡大したもの。よく見ると、番号の太さが違うのが分かる。さらに、上下にならんだ目玉みたいなのも、右は眉毛がくっきり見えるが、左は眉毛と目玉がくっ付いている。バリエーションとしてカウントするかどうかは微妙だが、二種類のタンポが存在しているようである。

豪華版

 こんなSALにも豪華版が存在する。作風は変わらないが、ボディの一部をシャーシで表現することはせず、内装と開閉可能なドアがつく。最近のヤトミンもビックリの装備である。品番は971。
 残念ながら959の豪華版は持っていないが、ストラトスを中古屋でゲットした。通常版のストラトスは持ってないが、ウィングが別パーツになっていて、こちらもなんだかなあ、なモデルとなっている。
[写真] SAL LANCIA STORATOS

ホイール

 特徴的なSALのホイール。蜂の巣型の6スポークホイール。これでブランドの判別も容易である。というか、カタチで大体わかるけど。
[写真] SAL Wheel

 以上のモデルは全て近年中古屋で買い集めたものである。一個百円という割高感はあるが、一台のポルシェのために、セットを丸ごと買うということがないのであそこは良い。
 SALは五十台セットで文具屋で売られていたりするが、在庫が余っているのかネット・オークションで非常に多く見かける。今これを見てSAL買おうかなと思っているあなた。冷静になってください。
 このミニカー、アメリカではLI-HONG-JIブランドとされているようで、SALというのはSouth America ナントカの略であるらしい。南米だが、MADE IN CHINAである。自国で作っても良さそうだが、日本をターゲットにしてのことか?
 そしてコレがSALのマークである。

 僕はウサギにしか見えなかったが、SALという文字をデザインしたものである。中にはコレを自力で解読してSALという名前を見つけ出した人もいる。
 このブランドのその他のラインナップは、F50、ディアブロ、ベンツSL、300ZX、フォーミュラーカーなど。その他車種不明。とくにF-1みたいのは一つのセットにかなり入っている。同じのが二個入っていたりして、ノルマの五十台セットとして販売しているのだ。働く自動車がラインナップにないところが厳しいのだろう。
 今回はSALについて色々書いてみた。SOHBI、サマー、ヤトミンなどはポルシェ以外の車種も買っているが、SALはやっぱりちょっと難あり。ポルシェに関しては色違いを集めていきたいと思う。ここで紹介した以外のバリエーションを持っている、知っているという方は僕まで御一報ください。
[写真] タイトル画



追加情報

 nao氏の投稿により、928の豪華版が存在することが分かった。左はnao氏所有の928である。写真下がそのパッケージで、ミニカー以外のおもちゃなども同じ袋でフリマで売られていたらしい。お子様ランチのおまけの可能性もある。品番は971で上のストラトスと同じだが、数字の後につくアルファベットで差別されているのかも。他にはBMW8シリーズっぽいやつもあるらしい。それほど、古い物ではなさそう。
 さらに、ないと思われた働く系の車、トラックなどもSALのラインナップにあることが判明した。5、6台のセットで軍用車セット警察セット、クラシックカー・セットなどもあるようだ。軍用車にはバイクも含まれていると言う。僕は見たことないが、いろいろとSALも作っているようだ。
 僕もこの前中古屋でSALのトレーラーヘッドを発見した。平べったくはなかった。色合いからしてあれが軍用車の一台だったのかも。ちなみに買ってません。
[写真] SAL 928
nao氏のコレクションから

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