PORSCHE
信沢 保の
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特集では、メインのページだけでは紹介しきれないことを、解説していきます。


2007/7月号
あのGoldyet Dragon特集

 まず読み方が分からない。Goldyetを既知の単語に分解するとゴールドとイェットになるが、ゴールドイェットなのか、ゴルジェットなのか、はたまたゴールダイエットなのかはっきりしない。しかし僕はこれをGドラゴンと呼ぶことにして問題を解決している。以下全てGドラゴンと書くことにする。
 このメーカーの存在を知ったのは2年ちょっと前のことだった。447-minicarのnaoさんが公式サイトらしき物を見つけて自サイトにGドラゴンという項目を置いたのが最初だった。「2005年9月号 Others....特集!!」の中で紹介したGドラゴンだが、ちょっと台数も増えてきたので単独で特集を組むことにした。最近は中古おもちゃ屋での収穫も大きな物は少なく、こうしたチープ系のバリエーションを見つけることが主な任務になっている。


TOP POWER DIE CAST METAL 10PCS
TOP POWER
 Gドラゴンはやはりこのようなセット形式での販売が主になっているようだ。しかし意外なことにパッケージの種類はあまりなく、このデザインの10ピースセットばかりが流通している。ただし中身の方はてんでバラバラで、決まった組み合わせがあるのかどうかすら疑わしい。箱絵にF40を持ってくる辺りセンスが止まってる。特集のタイトル画はこれの裏パケである。
 ちなみに付いてるホイールは全て6ドットだが、水色の928の後輪だけがメッキ付きだった(他は地)。メッキ付きとメッキなしが両方混在するようだ。生産ラインの管理は適当だと思われる。

961
961
 この手のミニカーにしては有り得ない程マニアックな車種だが、フロント・フェンダーの後端の角が取れていることからしてサマーを元ネタにして作られたらしい。リアクオーター・ウィンドウのギザギザ処理まで同じである。見えにくいが、左の2台はGドラゴンには珍しく、見かけないタイプの5スポーク・ホイールを付けており、右の6ドット・ホイール版よりも古いのではないかと思われる。ホイールの管理が適当なので、必ずしも時代の前後関係と一致するとは限らないが。しかし手持ちのサンプルではシャーシの微変更と、ホイールの変更が一致しているのであながち間違ってもいないはず。
961
 今はこちらのデザインのタンポで作られているようだ。先の10台セットなどによく入っている。ゴールドがメッキホイール付きなのはたまたまであろう。下の黄色2台はTURBOの文字の色が違う。このような一見同じに見えるタンポの色違いがあるので、バリエーションを探す時は注意しなければならない。僕もこの写真を撮る時までは気が付かなかった。
961 base  5スポークと6ドットでは、シャーシの文字の位置が変わる。書いてあるのは両方ともMADE IN CHINA。Gドラゴンはだいたいこれしか書いてない。何のモールドもない簡素なシャーシ。

928
928
 やっぱり928がある。地道に集まって5色になった。タンポデザインはこれしか見たことがない。言いたくないが、結構いい形をしていると思ってしまう。それは他のGドラゴンを見慣れたため。カシメの棒を立てるために後ろの窓は少し埋められている。928はボディの後ろまで窓が伸びているので、このような処理をされることが多い。フロントフードの境界線は埋まったのではなく端から彫ってないようだ。やたらとサンルーフにしたがるのは金属の節約のためだろうか。水色は先の10台セットの1台。後ろ両輪がメッキになっている。
928 base  上の画像は僕が考えた年代順に並んでいる。左はそのシャーシ。961と違って木の字のモールドが特徴的。左から白に始まって青で終わる。これを並べるのに少し頭を悩ませたが、最も妥当と思われる並び順にした。左の2台(白と緑)はほぼ同じ仕様。3台目(水色)では車軸の部分に補強がされている。4台目(黒)では文字の位置が変わり、元の位置に消した跡が見られる。最後(青)は補強の厚みが増している。文字も違う。しかしこれだと、新しくなるにしたがって車軸の錆びがひどくなるという不思議な事態になった。中古品なので状態にはバラつきがあるのは当然だが、もしかして真逆の並びなのだろうか。

928S
928S
 大人気の928はGドラゴンでも2種類の金型が作られている。もう一つの928はリアスポ付きのS仕様で、ジルのJシリーズの928Sを元ネタにしているようだ。シャーシにも若干面影がある。ホイールは6ドットのものを確保している。このタンポデザインで多くのバリエーションがあるが、まだ一つしか手に入っていない。バリ探しは今後の課題である。
928S
 これはOthers特集でGドラゴンとして紹介した卓球タンポの928だが、これはGドラゴンではない可能性が出てきた。上の渦巻きタンポの928は10台セットに入っている物もありGドラゴン確定とするが、それに比べて卓球の3台は出来がユルい。窓の輪郭やフェンダーなどを見ると金型がだいぶ悪い。窓の色も透明青ではなく黒になっている。ホイールはソリッドカラーの2台が質の悪い8ドットで、メタリックの緑はジルのような多穴デザインだった。これらの928は通常のGドラゴンとは作風が違い、廉価版のようなキャストだ。
928S base  シャーシの比較。左に離して置いたのが渦巻きタンポ。右の3台が卓球タンポ。シャーシの質感が異なる。木の字のモールドが微妙に違ったり、車軸を通す部分の補強の有無などの違いがある。またフロント部分のモールドが卓球ではツルツルに潰されている。
 渦巻き→卓球の時代順序で劣化しつつ作られたのかと思いきや、渦巻きタンポはGドラゴンの現役らしい。卓球はボディサイズが一回り小さいので、金型が別なのではないだろうか(つまり同時に存在しえる)。Gドラゴンなのかどうかは分からない。

G Dragon ? 930 Turbo
930 Turbo
 かなりチープな930。この個体からは想像しづらいが、金型の源流を辿っていくとトミカの930が根元にあるようだ。小さいウィングのターボ3.0は2年半しか存在しない車で、外国の多くのメーカーはターボ3.3(11年続いた)をモデル化している。それでこの930は6ドットホイールにクリアブルーの窓というかなりGドラゴンらしいミニカー。今までGドラゴンではないかと思いつつ、確証が得られなかったものだが、改めて見るとちょっと違った。
930 Turbo base  裏返して見るとよく分かる。Gドラゴンのシャーシはツルツルか木の字モールドの2種類があるのを確認しているが、これはどちらにも属さないトの字モールド。ホイールは6ドットだが、接地面に筋が通っていないフラットなタイヤだ。これはGドラゴンなのかもしれないし、そうではないのかもしれないが、これも今のところは謎メーカーとしておくしかない。

集合
 Gドラゴンにはヘルメットやプロテクターなどのスポーツ用品を作るGoldyet Dragon Ltd.と、ダイキャスト・カーなど玩具を作るGoldyet Dragon Toys Co., Ltd.という2つの会社がある。住所は違うが、どちらも1989年に出来た香港の会社で、系列グループであるようだ。
 やっぱりこういうチープなミニカーはカラバリ集めが楽しい。こういうサマーより格下のミニカーも積極的にバリ集めしていきたい。

Welcome to Goldyet Dragon !!
これがその公式サイトらしきもの。アドレスに会社名がなく本当に公式か怪しいが、見てみると確かに公式らしい。
447-minicar-Goldyet
naoさんのコレクション。同じ箱の10台セットが出てる。
Mick's Goldyet Dragon
Mickのコレクション。ハイレベルなミニカーもある。
タイトル

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